BL40XUのシャッターとアブソーバーについて

常時使用できるシャッターとアブソーバーについて。上流から以下の順番になっている。

1. MBS
 ハッチの制御盤で開閉する。ミラーの損傷を避けるため,実験を中断して食事に行くときなどにはMBSを閉めること。

2. DSS
 ハッチの制御盤で開閉する。実験中はずっと開けて使うが,実験開始時にDSSを開ける時には実験ハッチ内の手動シャッターが閉まっていることを確認すること。

3. アルミアブソーバ(2種類)
 1/1000と1/100の二つがある。どちらもシグマ光機のスリットコントローラーから開閉できる。このコントローラーはGPIBアドレスを持っているので,GPIBで開閉が可能である。コマンドは,S1ON(ソレノイド1をON),S1OF(ソレノイド1をOFF)などである。詳しくは,「スリットコントローラSLCD-01取扱説明書」の10ページを参照。この説明書で言う「ソレノイド」がアルミアブソーバである。なお、1/1000と1/100というのは、12.4keVのX線の透過率なので,他のエネルギーのX線では透過率が異なることに注意すること。

4. 手動シャッター(ステンレス製)
 スイッチボックスで制御する。スイッチボックスにはBNCの受け口があるので,ここにTTLパルス(+5V)を送ることによってシャッターを開けられる。パルスを送ってから開くまでには数10ミリ秒かかることに注意。
このシャッターをGPIB制御したいときには,3のアルミアブソーバと結線を入れ替えればよい。使っているロータリーソレノイドは同じものなので,単にソレノイドにつながっている端子のところで線を繋ぎ変えるだけでOK。繋ぎ変える時には電源装置の電源を切っておくこと。

5. 回転シャッター(2種類)
 高速シャッター(小さい円盤)と超高速シャッター(大きい円盤)があったが,現在実装されているのは後者だけである。 3種類の違った長さの円弧にスリットが切ってあり,モーターの位置をステージを動かして変えることによって違ったシャッター速度となる。 ガルバノシャッターと組み合わせて,マイクロ秒のX線パルスを作り出すのに用いるほか,ガルバノシャッターをビームからはずせばチョッパーとしてアブソーバーの代用にも使用できる(アブソーバーと違ってエネルギースペクトルが変わらないという長所があるが,パルスカウンティング型のX線検出器ではデッドタイムを厳しくするので注意が必要)。 アブソーバーとして使用したときのフォトン数の低下率は円盤の円周と開口の比から計算できる。 ガルバノシャッターと同時に使用すると,回転シャッターがX線を1回通す期間だけガルバノシャッターを開くことによって,最高で5マイクロ秒までのシャッターとして使用できる。この場合には他のイベントとの同期は容易ではないので,同期回路をしっかりと設計する必要がある。スリットの大きさはビームをフォーカスしたときにあわせてあるので,大きなビームを使うときには設計どうりには動作しない可能性もある。
 回転シャッターは自動ステージに乗っており,ハッチ外からPM16Cで操作可能である。ただし回転のON/OFFはハッチ外からは出来ない。

6. ガルバノシャッター(タンタル製)
 高速ガルバノシャッターで,最短で1.4ミリ秒の開閉が可能である。このシャッターは,普通の使用法では5の回転シャッターのどちらかを回転させておかないと動作しない。開時間は回転シャッターの選択と回転数によって決まる。TTLパルスで開閉を制御するが,TTLパルスを送ってもすぐには開かない。また,パルスの長さと与えるタイミングを正しく制御しないと望んだ開時間とならない。とりあえず1.4ミリ秒開けたいなら,超高速回転シャッターを最高速度で回転し,2.5ミリ秒程度のTTLパルスを与えればよい。この場合でもガルバノシャッターは開かなかったり,また2.8ミリ秒開いてしまうこともあるのでオシロスコープでイオンチェンバー電流を見るなりして開閉をちゃんとモニターすること。正しく開閉させるには,回転シャッターのタイミングパルスと同期したTTLパルスを与える必要がある。
 このシャッターはシャッター制御ボックスのパネルスイッチを切り替えることによって外部パルスで制御可能である。パルス電圧は閉時が+3ボルト,開時が−3ボルトである。スイッチを切り替えて外部からこのパルスを与えれば任意のタイミングで開閉可能である。(この制御電圧はTTLパルスとは違うBNCコネクターに入力する必要があるので注意)
 このシャッターの直前には固定スリットがあり,ビームの幅を制限することができる。固定スリットとガルバノシャッターは共に自動ステージに載っている。


BL40XUのネットワークについて

1 ビームラインにおけるネットワークの構成
 BL40XUの実験ステーションはゲイトウェイを介して閉じたネットワークになっている。DHCPサーバーがあるので,パソコンは「IPアドレスを自動的に取得」に設定すれば,インターネットと接続できる。また,WindowsパソコンはワークグループBL40XUを探すと下記のパソコンが見えるので,ファイルを共有できる(ただし,つないですぐには見えないことが多い。しばらく待つと見えてくる。「ネットワークコンピュータ」で見えていなくても,\\bl40xu0\cのように直接パソコン名を指定してマウントすればマウントできる)。
 現在はDHCP専用にopenblocks(手のひらサイズのLinuxマシン)が働いている。IPアドレスの割り当てについては,BL40XU0のデスクトップにある割り当て表のファイルを見ること。

2 パソコンの役割

bl40xu0  無印Windowsパソコン。普段は蓄積リングステータスの表示(http://www2.spring8.or.jp/sr_status.html)と,ビームラインチャットに使用する。あまりいじらないこと。

bl40xu1  エプソンのEndeavor。ラックの脇のパソコンで,主としてラック内の機器とのGPIBによる通信によって実験の制御を行うときに使用する。LabViewがインストールされており,GPIBとPIO,それとDAQのボード(いずれもNI製)が刺さっている。実験ハッチ内のスリットやステージの制御もこのパソコンで行える。

bl40xu2  bl40xu1の隣のパソコン。OSはWindows2000。IC-PCIボードが入っているので,HiPicを用いて浜ホトのCCDカメラの画像を取り込める。USB2.0のインタフェイスボードも入っている。

BL40XU3  パソコンラックに乗っている,データ処理用パソコン。DVD-Rや2.3GigaMO,USB2.0などを搭載。ソフトもいろいろあり。ディスプレイはテレビと兼用になっている。テレビのほうはハッチ内のモニターテレビと切り替え機を介して繋がっている。

Gateway-E5250  高速CCD検出器の制御に用いるGatewayのパソコン。

FMV-Biblo  大型のノートパソコン。ほとんどはWebブラウザーと文書作成などに使われている。

PEN400  名前はPentium400MHzの意味だったが,現在は800MHzが入っている。bl40xu1と切り換え器でディスプレイ,キーボード,マウスを切り替えるようになっている。PEN400にはMCAカードが入っており,シリコンドリフトチャンバーの出力を処理するのに使われている(つまり,蛍光X線分析実験用)。

これら以外に光学系制御用のX端末と,ドイツ製シングルバンチシャッター制御用の富士通のノートパソコンがある。

プリンタは,bl40xu0につながっているエプソンのレーザープリンタ(\\bl40xu0\epson)と,bl40xu3につながっているHPのインクジェットカラープリンタ(\\bl40xu\hp990cxi)が利用できる。

2 ビームラインchatへの接続法
 bl40xu0から接続する。デスクトップにあるTeratermまたは秀Termを起動する。接続先はsp8chat.spring8.or.jp。名前の入力はbl40xuとすること。

3 準備室のネットワーク
 廊下側準備室には,bl40xu.spring8.or.jpというパソコンが置いてある。これはBL40XUのホームページを載せているマシンでもあるし,準備室内のネットワークとインターネット(実際には所内ネットワーク)とのゲイトウェイにもなっている。Windows2000のネットワークアドレス共有機能を使っているので,準備室内のハブにパソコンを繋げばDHCPで自動的にアドレスを割り当ててくれる。
 このマシンはWebサーバーである。以前はbl40xu8という名前でWindows2000を走らせていたが,Code Redというウィルスに感染したので,現在はWebサーバーはapacheである。名前はbl40xuに改名した。
 WebのコンテンツはC:\Program Files\Apache Group\Apache2\htdocsの下にある。リンクを張りたいときはlinks.htmlというファイルをいじってください。

4 トラブルシューティング
 ビームラインや準備室に置いたパソコンから外部が見えないときは,次の点をチェックする。(1)ネットワークアドレスを自動的に取得するように設定されているか,(2)アクセス先のアドレスを,ホスト名だけでなく spring8.or.jp のように末尾まできちんと指定しているか,(3)プロキシサーバーの設定。ayagiku.spring8.or.jpのデータベースを参照するときは,delegate.spring8.or.jpのポート番号8086番のプロキシを指定する必要があるが,それ以外の場合にはプロキシを設定するとかえって接続されないことがある。(4)ネームサーバーとして10.10.27.1を指定してあるか。DHCPが正しく働けばこの指定は不要のはずであるが,必要なこともあるらしい。(5)DHCPはちゃんと動作しているか。これはWindows98ならばwinipcfgというコマンドで確認できる。Windows2000では、ipconfig。

5 ayagikuのデータベースの見方
 http://ayagiku.spring8.or.jp/にはSPring-8の蓄積リングやビームラインの状態を示す多くのデータが入っています。その中に,

・ログデーター
  ○機器グループから検索するオンライン/アーカイブデータベース上の最新データ−

という項目があります。これを選択すると,bl_fe, bl_id, bl_idtmp, bl_plcなどビームラインの機器の状態に関するデータ(現状と履歴)を見る項目があります。この中で,例えばbl_idを選択してbl_id40を選択すると,BL40XUのヘリカルアンジュレータの様子(ギャップ値)などを読むことが出来ます。
 またbl_plcの中には,光学ハッチや実験ハッチの状態を示すフラグのデータベースがあります。これを見るにはbl_plcからbl_plc_40inを選択します。そうするとステータス(信号名)がずらっと出てきますが,番号だけなのでどれが何の情報を示すのかがわかりません。下に代表的な信号名を示します。

bl_plc_40in_di_4真空ゲージ
bl_plc_40in_di_10DSSとMBSの開閉
bl_plc_40in_di_11シャッターキーとダンプボタン
bl_plc_40in_di_12実験ハッチと光学ハッチのダクトとドアの開閉
bl_plc_40in_di_14光学機器の水冷の水の状態
bl_plc_40in_di_17ヘリウムのフローなど
bl_plc_40in_di_18自動ドアのロックの状態
bl_plc_40in_di_20パトライトやアラーム音
bl_plc_40in_di_21ゲートバルブの開閉
bl_plc_40in_di_22DSSとスクリーンモニタ
bl_plc_40in_di_25Beam Readyなど
bl_plc_40in_di_41光学ハッチのダクト,ドアなど
bl_plc_40in_di_42実験ハッチのダクト,ドアなど


雑多な情報

1. BL40XUに関する情報は,BL40XUのホームページ http://bl40xu.spring8.or.jp/ に集められている,があまり更新されていない。

2. SPECTRAで計算するためのbl40xuのヘリカルアンジュレータのパラメタファイルは,bl40xu2の C:\Program Files\Spectra\prm\Spring8\bl40xu.prm である。このパラメタファイルのカップリングとβ関数の値は,1999年10月のSPring-8シンポジウムで発表された値になっている。これはホームページにもある。この値はその後の蓄積リングの運転パラメターの変更で現在は変わっている。最新のデータは,Spectraのホームページ(http://radiant.harima.riken.go.jp/spectra/index.html)を見てください。

3. 現在のリング電流とBL40XUのギャップ値は,それぞれ
\\bl40xu0\mydocu~1\ring_current.dat
\\bl40xu0\mydocu~1\gap.dat
に書かれているので,随時読み出すことが出来る。
ただしこれらのファイルを常にup-to-dateなものにするには,BL40XU0の上であらかじめ二つのプログラムを起動しておく必要がある。これらを起動するには,まずDOSプロンプトを開いて
cd \mydocu~1
perl get_ring_current.pl
および,もうひとつ別のDOSプロンプトウィンドウを開いて
cd \mydocu~1
perl get_gap.pl
を実行しておく必要がある。これらのプログラムは終了しないので,DOS窓を最小化してそのままにしておくこと。

最近はBL40XU1でもプログラムを走らせておくと,リング電流とギャップ値を随時読める。

4. BL40XUの廊下側準備室には飲食物が置いてあることがあります。自由に食べて構いませんが,あとで同等以上の現物を補給しておいてください。